最終更新日2017年9月14日
牡丹焚火

 毎年11月第3土曜日、国指定名勝「須賀川牡丹園」において、天寿を全うした牡丹の古木や、折れた木を供養する行事です。
 夕闇の中に、かすかな香りを漂わせながら燃え上がる青紫色の焔は、牡丹の精を思わせ、余情的な雰囲気を醸し出します。昭和53年には、俳句歳時記の冬の季語として採択され、須賀川の風物詩として定着しました。
 当日は、全国各地から俳句愛好者が集まり、句会が開かれます。


由来

 始まりは、栁沼牡丹園と呼ばれていた大正時代初め頃にさかのぼります。園主だった栁沼源太郎は、栽培管理の傍ら俳句を嗜み、俳号を破籠子(はろうし)といいました。当時、栁沼家では園内から出る牡丹の古木を供養するため、地元の親しい俳人らを招いてひっそりと焚いていました。

小説「宮本武蔵」に登場する牡丹焚火

 吉川英治は、小説「宮本武蔵」風の巻”牡丹を焚く”に牡丹焚火を取り上げ、武蔵が牡丹の木をくべて暖をとる情景を細やかに描写しています。これは「宮本武蔵」を執筆中の吉川英治が、須賀川に訪れた時に園主・源太郎が、牡丹の木を焚いた光景に思い入れを強めたところから執筆したといわれています。

牡丹焚火が「かおり風景100選」に認定!

 平成13年10月30日、須賀川牡丹園の牡丹焚火が、環境省「かおり風景100選」に選ばれました。かおり風景100選は、人々が訪れ心地よいと感じるかおりと、その源になる自然や文化の保全、創出に取り組んでいる地域の支援策の一環として制定されたものです。

牡丹焚火・牡丹供養の例歌・例句

 須賀川の牡丹の木のめでたきを炉にくべよちふ雪ふる夜半に 北原白秋
 北斗祭るかむなき心牡丹焚く  栁沼破籠子

 煙なき牡丹供養の焔かな    原 石鼎

 手を帯に牡丹焚火に立たれしが 矢部榾郎


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芭蕉記念館
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