最終更新日2010年4月2日

須賀川牡丹園の牡丹焚き火

 
 5月になると、桃や桜、そしてりんご、梨の花等が次々と咲き、須賀川の街は甘い香りに包まれます。
 なかでも須賀川牡丹園は、 ひときわ華やかです。百花の王、花神とも称される豊麗な大輪の牡丹が、芳しい香りをふりまきながらひとつまたひとつと開き始めます。東京ドームの約3倍の 面積を持つ園内には、樹齢200年以上の古木牡丹をはじめ、銘柄種や中国牡丹等290種7000株の牡丹が咲き、かおりが園内に広がります。
 夏が過ぎ、秋も終わりを迎える頃、夕闇が迫る静寂な園内に「牡丹焚き火」を愛でる俳人、歌人たちが集います。「牡丹焚き火」は、天寿を全うした牡丹の枯木を供養する行事であります。
  「客人への最高の持て成しは牡丹焚き火に尽きる」と、吉川英治や北原白秋、横山大観ら多くの文人墨客がこよなく愛したといわれています。小説「宮本武蔵」 の第2巻「牡丹を焚く」でも、武蔵が吉岡伝七郎を三十三間堂で倒した後、遊郭「扇屋」に戻り、本阿弥光悦らと吉野太夫のもてなしを受け、牡丹の枯木をくべ て暖をとる情景に巧みに取り入れられています。
 3m四方に土を突き固めて造った特製の炉で牡丹の枯れ木を焚くと、あたり一面にお香に似た馥郁たる香りを漂わせながら、青紫色の炎が天に向かって燃え上がります。その様はまさに牡丹の精を思わせ、神秘さを醸し出しています。
 
かおりの源:赤松、牡丹、枯死した牡丹古木の焚き火
 
 季節:11月第3土曜日