「すかがわ特撮塾」の大きな白文字と下部に英字表記を組み合わせた力強いデザインのロゴのイラスト

須賀川市は、最初の『ゴジラ』(1954年)などの特撮を手掛け“特撮の神様”と称される特技監督・円谷英二の故郷。
「すかがわ特撮塾」は、その円谷英二監督から受け継がれてきた特撮技術を学びながら、自分のやりたいことを見つけていく連続ワークショップで、2022年から始まりました。
「特撮」は、伝統の技や創意工夫といった“ものづくり”のおもしろさがいっぱい詰まった映像テクニック。特撮のプロたちの指導で様々な技を体験していき、みんなで一本の短編特撮映画を作り上げます。

主な活動

1 開講式で特撮とは?を学ぶ

塾生たちが畳敷きの室内で低い机を囲み資料やノートを前に講師の説明と画面映像に集中して学び合う様子の写真
塾生たちが7人が並んで立ち精巧に作られた街並みの大型ジオラマを指差しながら構造や配置を熱心に確認して観察する様子の写真

特撮の基礎知識となる各セクションについての説明を受けたり、特撮作品のメイキング映像を見たりして、特撮とは何かを学びます。説明を受けながらセンターを見学すると新たな発見があるかもしれません。

2 撮影準備~絵コンテ、デザイン、ミニチュア制作、怪獣制作など~

机上に広げた多数の資料やスケッチを囲み塾生が指示内容を見つめ意見交換しながら作業内容を確認している様子の写真
作業台に並ぶ巨大なモンスターの手型パーツに塾生の男性が塗装や成形作業を施し道具を使いながら丁寧に制作を進めている様子の写真

撮影の設計図となる絵コンテの描き方を学んで描いたり、ストーリーを考えたりして作品の内容を膨らませます。 撮影で使う、怪獣やロボの着ぐるみ、建物のミニチュア、ドラマパートの小道具なども自分たちで準備します。

3 特撮撮影、ドラマパート撮影

巨大な一つ目怪獣の着ぐるみが精巧なミニチュア都市の中央に立ち周囲でスタッフが撮影準備を進める様子の写真
屋外の広場でスタッフと塾生がミニチュア建物を組み立て撮影用セットを調整しながら配置を確認している様子の写真

撮影では、カメラや役者はもちろん、怪獣などのスーツアクターやミニチュアを並べる美術、ホコリを噴き上げる操演など、様々なセクションを交換しながら担当していきます。 どれも映像を作りあげるために必要な仕事です。

4 編集・映像作品の仕上げ

複数の塾生が机上のノートパソコンで映像編集ソフトを操作しカット調整や素材確認を進めている様子の写真
暗い室内で塾生たちが床に座ってノートパソコンを広げ大型スクリーンに投影された特撮映像を見ながら編集内容や演出ポイントを真剣に確認している様子の写真

編集ソフトの使い方の基本から学び、撮影した映像を編集します。見る人に伝わりやすい映像、メッセージが伝わる映像、キャラクターの魅力が伝わる映像にするにはどうすればよいのか、他の人の編集も見ながら考えてみます。

5 閉講式と市民向け作品上映会

ステージ上で女子生徒が授与者に深く礼をしつつ証書を受け取り周囲の参加者が静かに見守る様子の写真
客席に多くの来場者が着席し大型スクリーンに映し出された作品タイトルを静かに鑑賞している様子の写真

完成させた作品を初めてみんなで鑑賞し、メイキングを見ながら活動や自分の成長を振り返ります。 閉講式の後には誰でも参加できる上映会でたくさんの人に作品を見てもらいます。お客さんの反応を見ることも作品作りには大切です。

講師紹介

(注意)各年の都合によって変更の可能性があります

田口 清隆 塾長

大きな麦わら帽子をかぶり胸元に名札を下げ両手の指を立てて怪獣のようなポーズを取る田口清隆塾長の写真

たぐち・きよたか
映画監督。中学時代より自主怪獣映画を多数制作。自主映画『大怪獣映画G』が認められ、2009年NHKの番組内企画『長髪大怪獣ゲハラ』で商業監督デビューを果たす。『ウルトラマンブレーザー』などでメイン監督として活躍。「すかがわ特撮塾」では、第1期(2022年)より塾長を務める。


特撮塾と言っても、みんな必ず特撮好きと言うわけではありません。学校祭の出し物で短編映画を一本、半年かけて作るという感覚の方が近いと思います。 だから男女も年の差も関係なし。
特撮に限らず映像作りに少しでも興味あれば、みんなでいろいろなことを楽しくやっていくので気軽に参加してください。

島崎 淳 先生(常任講師)

黒いジャケット姿のしゃがんだ姿勢で両手の指を大きく開き怪獣のようなポーズを取る島崎淳常任講師の写真

しまざき・じゅん
特撮の面白さを伝えるべく、特撮ライターや特撮メイキングディレクターとして活動。特撮メイキングの代表作として、『巨神兵東京に現わる』、映画『進撃の巨人』、『ウルトラマンX』など。映画『温泉シャーク』では、特撮コーディネーターとして須賀川市内での特撮撮影を誘致。「すかがわ特撮塾」では、第1期(2022年)より担任として常任講師も務める。


すかがわ特撮塾では、特撮映画の作り方を学びながら、みんなで一本の作品を作り上げます。その中で、特撮技術のおもしろさはもちろんのこと、円谷英二監督のように考えて解決する力や発想力、そして、一人ひとりが責任を果たしながら仲間と力を合わせることの大事さ、そして成し遂げた時の喜びなど……多くのことを味わってもらえるはずです。特撮のプロにならなかったとしても、この先の人生でも何一つ無駄になることはない極上の体験が待ってます!

細沼 孝之 先生(常任講師・運営)

黒い服と名札を身につけ両手を広げ怪獣のようなポーズを取り小さな模型と並ぶ細沼孝之常任講師の写真

ほそぬま・たかゆき
株式会社kotofilm代表。映像作家として、映画やテレビCM、ミュージックビデオ、地域PR映像など、幅広い映像作品の監督・プロデュース・撮影・編集を手がける。 須賀川をはじめ各地で特撮体験ワークショップを実施し、東京工芸大学非常勤講師として後進の育成にも取り組んでいる。「すかがわ特撮塾」では、第1期(2022年)より常任講師・運営を務める。


すかがわ特撮塾は、「特撮が好き」「ものづくりが好き」という気持ちを出発点に、仲間や大人たちと一緒に本気でものづくりに挑戦できる場所です。 うまくできなくても大丈夫。手を動かし、失敗し、考えること、挑戦することを大切にしています。想像する力や人と協力する楽しさを、作品づくりを通して一緒に体験できたらうれしいです!

その他の先生

落ち着いた室内で濃色の上着とシャツを重ねて着ている正面に立ち穏やかな姿勢を保つ石井那王貴特撮美術講師の写真

石井那王貴 先生
特撮美術講師、ミニチュア図面制作など

屋外で灰色のTシャツと赤いストラップを身につけしゃがんで作業に集中する三木悠輔特撮美術講師の写真

三木悠輔 先生
特撮美術講師、特撮美術など

灰色のシャツを着て上体をまっすぐ保ち落ち着いた姿勢で前方に向かって座る佐藤大介怪獣造形講師の写真

佐藤大介 先生
怪獣造形講師、怪獣造形など

黒い上着を着て肩掛け装備の大型カメラを両手で構え撮影準備の姿勢を取る井野口功一撮影担当の写真

井野口功一 先生
撮影

紺色の上着と赤いストラップを身につけ肩掛けバッグを下げて静かに立つ、名久井晨特撮美術補助の写真

名久井晨 先生
特撮美術補助、制作など

黒いジャケットに白いインナーを合わせ上体をわずかに傾けて前方を向き落ち着いた姿勢で座る鈴木優太特撮美術補助の写真

鈴木優太 先生
特撮美術補助など

録音用ヘッドホンと機材ハーネスを装着し頭上のブームマイク持って立っている三門優介録音担当の写真

三門優介 先生
録音、整音など

黒いTシャツに赤いストラップを下げ前方に体を向けて静かに座る渡邉聡メイキング担当の写真

渡邉聡 先生
メイキング

すかがわ特撮塾 経験者の声

金属風の装甲衣装を着た男性が横向きに立ち肩口の造形を見せる姿を捉えた写真

塾の中で印象に残った活動は、8月に行った撮影と11月にあったヨロイガーのイベントです。8月の撮影では初めて「操演」という仕事に取り組みました。

ヨロイガーが歩いたところに砂ぼこりを飛ばすという仕事です。いろいろなところに隠れたり、ヨロイガーのすぐ後ろについていたりしたので、たまにトラックが飛んでくることもありびっくりしました。 11月のイベントでは1回目の撮影会の時にヨロイガーの中に入りました。緊張したのでうまく動けないかもしれないと思ったけど、撮影後にみんなに上手だったといってもらえたことが一番うれしかったです。
僕は将来田口監督や英二監督のような特撮監督になることが夢だったので、田口監督やたくさんのスタッフの方にお話を聞けてうれしかったし、実際の仕事を近くで見ることができて将来の姿をイメージすることができました。 僕はテレビや映画で特撮を見ていただけだったので、制作のことはよくわかっていませんでした。けれど自分で関わってみて、特撮の撮影にはいろいろな役職の人がいて、良いものを作ろうと頑張る気持ちで繋がっていました。 特撮は「絆」だと思いました。


(すかがわ特撮塾1期生・当時中学2年生)

女性が胸の前で印刷物を両手に掲げ内容を示すようにまっすぐ立っている様子の写真

特撮塾で印象に残った活動はヨロイガーの制作です。私がデザインした想像上の怪獣がリアルになったことにとても感動しました。

怪獣の制作は専門的な材料から怪獣が作られていると思っていましたが、実際はスポンジなど私たちが知っている身近な素材で怪獣を作ることができました。 怪獣作りが自分の手に届くような近い存在になったためか自然と作業がはかどり、とてもおもしろかったです。
特撮塾では、共通の目的で活動していることもあり、他の塾生とも話がしやすく楽しく参加することができました。 特撮は、撮影だけでなく脚本、ミニチュア制作、編集などの過程があり、それぞれの分野でプロの方が生き生きと取り組んでいる姿を見て、私も将来自分の得意とする分野で活躍できる人になりたいと感じました。


(すかがわ特撮塾1期生・当時高校2年生)

白いシャツを着た男の子が上体をわずかに傾けて椅子に座り静かに前方へ体を向けている様子の写真

映像編集の工夫に驚きました。別の日や場所で撮影した映像のパーツを繋げて自然な場面に見せる技術やアイディアは本当にすごいと思います。

将来は特撮に関わる仕事につきたいと思っていましたが、田口監督からは仕事にすると大変なこともあると言われました。 その時に「仲間」と「楽しい思い出」が助けになるとも言われたので、これからも仲間と助け合って楽しんでものづくりをしていきたいと思います。


(すかがわ特撮塾2期生・当時中学1年生)

肩丈の髪の女性が眼鏡越しに視線を向けつつ片手でピースサインをしている様子の写真

私は、このすかがわ特撮塾に参加して印象に残ったことが2つと、これからやってみたいことが1つあります。1つ目の印象に残ったことは、特撮・ドラマパートの撮影です。

特撮パートは、操演をどのようにしたら本当に怪獣が居るように見せられるか工夫した点や、ドラマパートでは、想像していたものよりも、演技で声のトーンや表情、動きを工夫して感情を表すことが難しかった点が印象に残りました。2つ目は、動画編集です。編集の仕方だけでなく、場面が変わる際の不自然さを無くしたり、物語の運び空や導入などをどのようにしたら観客に興味を持ってもらえるか等を計算したりした点が印象的でした。
次に、これからやってみたいことは沢山の映画に触れることです。映画作りの大変さを知ったので、違う視点で映画を楽しみたいです。 気の合う仲間たちとすばらしい映画をつくり、私も作品に携われたことが本当にうれしく思います。私にとってこの1年間は楽しく、あっという間で、充実したものとなりました。 特撮塾に出会えて、仲間たちに出会えてよかったです。


(すかがわ特撮塾3期生・当時中学2年生)

黒い帽子と濃色の上着を身につけた男性が斜め向きに立ち胸元にストラップを下げている様子の写真

僕はこの1年間の活動を通して、改めて自分がどれだけ特撮が大好きで、愛しているのか。そして、まだまだ特撮には魅力があるということを知りました。

特撮塾で自分と同じ特撮が好きな友達や特撮を創るのに関わっている方々と出会うことができ、本当に毎回の活動を楽しむことができました。
特にフェザーロン制作のときのわくわく感やどきどき感は今でもよく憶えています。これからはこの活動を生かしてもっと特撮に関わっていきたいと思っています。 1年間、楽しい夢のような活動を行えてうれしかったです。


(すかがわ特撮塾3期・当時高校2年生)

この記事に関するお問い合わせ先

須賀川特撮アーカイブセンター
〒962-0302 須賀川市柱田字中地前22

電話番号:0248-94-5200

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