眼鏡をかけた男性がライトボックスの上に並べられた多数のスライドフィルムを手に取って詳しく確認しており、机の上には別のフィルムシートや赤いペンも置かれた、特撮作品の貴重な記録写真を整理・選別している様子を捉えた写真

【本ページで掲載している写真の一般公開は行っておりません】
特撮美術監督の渡辺明氏が残した特撮の制作現場を記録した貴重な資料の数々が須賀川特撮アーカイブセンターに収蔵されました。
これらの資料は、当センターが参画・協力する「日本特撮アーカイブ」の2022年度の活動で、調査と整理、保存(デジタルデータ化)が実施されました。今回は本事業の概要と成果についてご報告します。

3. 劣化・褪色した資料のデジタル補正

収蔵された資料の中には、長年にわたる保存で劣化・褪色が進み、資料性が低下してしまったものが多数ありました。

それらの資料をデジタル補正することで、より見やすい資料へと回復させる試みを実施しました。

デジタル補正例1.:35ミリポジフィルム

水辺に設置された精巧な日本城や城下町の巨大ミニチュアセットの周囲で、白い服を着たスタッフたちが配置の確認や細部の調整を行い、特撮映画の撮影準備を慎重に進めている記録が変色していることが分かる写真
水辺に設置された精巧な日本城や城下町の巨大ミニチュアセットの周囲で、白い服を着たスタッフたちが配置の確認や細部の調整を行い、特撮映画の撮影準備を慎重に進めている記録を修正した写真

作品名:キングコング対ゴジラ 熱海城制作風景

画像に残っている色情報を元に、画面全体の色調を画像処理ソフトのトーンカーブ等を用いて補正を実施。その後、シミ上に赤く変色している部分を変色状況に応じて個々に選択領域を作成し色の補正を行いました。

デジタル補正例2.:35ミリネガフィルム

映画の特撮スタジオにて、ビル群のミニチュアセットの上で撮影する様子を捉えた画像の色が暗く変色していることが分かる写真
映画の特撮スタジオにて、ビル群のミニチュアセットの上で撮影する様子を捉えた画像の色調が色鮮やかに補正された写真

作品名:空の大怪獣ラドン 福岡市襲撃シーン撮影風景

映画作品のデジタル修復と同一行程にて、スキャンした画像に対し全体の色調を補正しました。フィルムの精細感を保持し、残っている色情報より明部・中間域・暗部ごとにバランスを調整、褪色前の色彩を復元しました。