
背景画の専門家であり「雲の神様」と称される島倉二千六氏が描いた背景画の数々が、当センターに収蔵され、その一部が一般公開されています。
当センターが参画・協力する「日本特撮アーカイブ」の2024年度の活動で、これら背景画の調査と保存(デジタルデータ化)が実施されました。 前編では本事業の概要と成果について、続く後編 では調査・研究のご報告をします。
【調査研究活動紹介4.】背景画家 島倉二千六氏の背景画の調査・デジタルアーカイブ(後編)
【現在は本ページで掲載している背景画の一部および背景画デジタルデータの一般公開は行っておりません】
2.小型~中型背景画パネルのデジタル化

小型~中型の背景画は、東京の専門スタジオで1枚ずつ高精細スキャンを実施し、デジタルデータを保存しました。

小型背景画1.
使用作品不明
高さ:730ミリメートル 幅:1,030ミリメートル

小型背景画2.
使用作品タイトル『超獣戦隊ライブマン』(1988年)
高さ:730ミリメートル 幅:1,030ミリメートル
エンディング、第10話で使用


小型背景画3.
使用作品タイトル『超新星フラッシュマン』(1986年)
高さ:1,030ミリメートル 幅:730ミリメートル
第1話ファーストカットで使用


小型背景画3.(拡大)
月と地球の間を流れる天の川のような表現は非常に細かな点描で描かれたことが確認できる

小型背景画4.
使用作品タイトル『超獣戦隊ライブマン』(1988年)
高さ:1,030ミリメートル 幅:730ミリメートル
本背景画は本編映像で確認することができませんでしたが、昨年度の調査研究 で実施した矢島信男特撮監督の絵コンテの中から該当シーンを発見できたことで、使用予定だった作品のタイトルを特定することが出来ました。
【調査研究活動紹介2.】特撮監督 矢島信男氏の直筆絵コンテ資料

背景画(左)と『超獣戦隊ライブマン』における矢島信男特撮監督の絵コンテ(右上)、三池敏夫特撮美術監督による清書コンテ(右下)を見比べることで、使用が予定されていた作品を特定できた。

中型背景画
使用作品タイトル『恐竜戦隊ジュウレンジャー』(1992年)
高さ:910ミリメートル 幅:1,820ミリメートル
オープニング、第2話で使用

この背景画が使用されたカットは合成ではなく、背景画の前にジャングルのセットや恐竜のミニチュア、作品タイトルを直接配置し、撮り切りで撮影された
島倉 二千六(しまくら ふちむ)背景画家
1940年10月5日新潟県に生まれる。中学では木版画部に所属し数々の賞を受賞。中学校卒業後に地元の看板屋を経て上京し、独立プロダクション(中央映画撮影所)で背景スタッフとなる。1959年に東宝特殊技術課に入り背景スタッフとして各作品に携わる。1982年に独立し「アトリエ雲」を設立する。『ウルトラQ』(1966年)、『宇宙刑事ギャバン』(1982~83年)、『さよならジュピター』(1984年)、『まあだだよ』(1993年)、『ガメラ 大怪獣空中決戦』(1995年)、『犬神家の一族』(2006年)、『巨神兵東京に現わる』(2012年)などで背景として活躍。近年では舞台や博物館などでも活躍の幅を広げる。