茶色い有機的な皮膚と鋭い牙を持つ口、不気味に発光する緑色の目や胸部の核が特徴的な、巨神兵ロッドパペットの写真

数ある須賀川特撮アーカイブセンター収蔵資料の中でもひと際目を引く「巨神兵 ロッドパペット」。当館で上映されている特撮短編映画「巨神兵東京に現わる」にて使用された資料です。今回は「巨神兵 ロッドパペット」の概要についてご紹介します。

3.資料の注目ポイント

「巨神兵 ロッドパペット」最大の特徴は、その名の通り操り人形の仕組みで操演できる点にあります。「巨神兵」にはそれぞれ頭、肩、腕、腰、足の後ろに操作用の棒(ロッド)が接続されており、棒を巧みに操作することで巨神兵にリアルな動きを伝えることが可能となっています。

実際の撮影においては、体全体の動きを担当する演者が1名、両腕を個別に動かす役が2名、顎の開閉を行う役が1名、サポート役が1名、合計4名から5名で「巨神兵」を操演しました。「巨神兵」以外のものは後の編集のときブルーバック合成によって映像に残らないようにするため、操作棒は全て青色で塗られ、また演者は青色の全身タイツを着用した上で撮影が行われました。

紫色の背景のスタジオで、複数のスタッフたちが、細長く有機的なフォルムと光る緑の目を持つ巨神兵のパペットを支柱やワイヤーを使って操作しながら特撮撮影を行っている写真

操演の様子

センターでは、青色の操作棒や補助器具がロッドパペットと共にそのままの形で収蔵されています。

木製のフレーム内に固定された、筋繊維が剥き出しのような茶色い身体を持つ巨神兵の全身像の背面に、青い支持具や操作用のフレーム、ヘルメット、ブーツなどの操演用機材が取り付けられた状態を背後から捉えた写真
特撮短編映画に登場する巨神兵の背後からのクローズアップで、有機的な質感を持つ茶色い背甲に、青い操作用のロッドや支持具が直接取り付けられ、周囲を木枠に囲まれた写真

ご来館の際は、「巨神兵 ロッドパペット」本体はもちろんのこと、是非後方の操演部分にも注目してご覧ください。

基本情報

  • 名称:巨神兵ロッドパペット
  • 全高:約180センチメートル (首を伸ばした状態:約200センチメートル)
  • 重量:約40キログラム (操作棒含む)
  • 材質:ラテックスゴム、アルミ、発泡ウレタン他
  • 登場作品:「巨神兵東京に現わる」(監督:樋口真嗣、2012年公開)
  • 原作:宮崎駿「風の谷のナウシカ」
  • 監修:
    • 庵野秀明
    • 樋口真嗣
  • イメージデザイン:前田真宏
  • 雛形造型:竹谷隆之
  • メカニカル造型:
    • 倉橋正幸
    • 桑島健一
  • 特殊造型:
    • 上村邦賢
    • 佃博之
    • 高橋洋史
    • 伊禮博一
  • 造形監修:百武朋
  • フォームテクニシャン:並河学
  • 雛形造型補助:
    • 小関正明
    • 井田恒之
    • 山口隆
    • 伊澤靖志
    • 鬼頭栄作
  • 造型補助:
    • 杉本綾子
    • 高橋友美
    • 各務未紗
    • 内海里佳
    • 杉浦智恵
    • 徳田陽平

参考文献

  • 『図録「館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技」別冊 巨神兵東京に現わる』日本テレビ放送網株式会社、2012年
  • 竹谷隆之『竹谷隆之 畏怖の造形』玄光社、2020年