
歴代受賞句
令和6年度須賀川市俳句ポスト年間特選・秀逸・入選句および年間優秀校
一般の部
年間特選句
牡丹賞
神炊館の句碑の数々蟬の羽化
渡辺圭子 福島県須賀川市
年間秀逸句
赤松賞
奔流へ突き出してゐる冬木の芽
関根邦洋 福島県須賀川市
翡翠賞
牡丹の影のひと揺れ風を呼ぶ
平野暢行 栃木県宇都宮市
子どもの部
年間特選句
ぼたん賞
源吾ねぎけんかにまけてまげられた
石井絵奈 須賀川市立白江小学校5年
あかまつ賞
算数にイチョウの形出てきそう
菅谷勇太 須賀川市立柏城小学校6年
かわせみ賞
かたつむりじてんしゃにのせてはしったよ
後藤蒼士 須賀川市立西袋第一小学校1年
年間入選句
- ジャンプしてふかふかのゆきぼくのかたち
大寺陸翔 須賀川市立第一小学校2年 - びっくりだ大きなきゅうり天王さい
大山悟琉 須賀川市立阿武隈小学校2年 - なつがきて大きいかぜがこうていに
遠藤羽那 須賀川市立柏城小学校2年 - オニヤンマ虫の世界のせんとうき
藤島璃乃 須賀川市立第一小学校3年 - れんこんが電車みたいにならんでる
小山田智花 須賀川市立阿武隈小学校3年 - カマキリのはねいつひらくいまひらく
若松柊翔 須賀川市立柏城小学校4年 - 夏の海ざぶざぶぼくらよんでいる
秋山悠翔 須賀川市立柏城小学校5年
等躬賞
須賀川市立白江小学校
牡丹賞
神炊館の句碑の数々蟬の羽化 渡辺圭子
作者より
私の俳句の原点に 故・森川光郎先生の「下手で良い、黙って十年続ける事だ」があります。
この句は俳句の会の人達と吟行をした時の句です。お諏訪様への参道の両側には沢山の句碑や歌碑があり、そのひとつひとつを読み取りながら須賀川の歴史や行事について楽しく学んだ時のことを詠みました。
職を退いた後の永い年月、今俳句に向き合っている時間がとても大切に思われます。この豊かな時間を諸先生方のご指導の下、仲間の人達と分かち合っています。
光郎先生の教えの通りめげずに続けてきて良かったです。栄えある賞をありがとうございました。
選評
神炊館は須賀川市の神炊館(おたきや)神社のことで、由緒ある神社の境内には数多くの句碑が建てられている。
神域の森は虫たちの楽園であり、夏にはうるさいほどの蝉が鳴く。この句の良いところは、数多くの句碑と(数多くの)「蝉の羽化」を対比させた点にある。「蝉時雨」のように多くの蝉をあらわす季語は他にもあるが、「蝉の羽化」としたことに作者独自の視点と工夫があり、これから続々と生まれてくる蝉の持続する強い生命力を感じさせた。この句は、審査員全員一致で最高点を獲得した。(桔槹吟社同人 高市宏)
ぼたん賞
源吾ねぎけんかにまけてまげられた 石井絵奈 白江小学校5年
作者より
私はお兄ちゃん達と、たまにけんかになることがあります。口でのけんかですが、お兄ちゃん達には勝てず、私は泣いてしまいます。
源吾(げんご)ねぎは、私のおばあちゃんが作っているねぎです。やわらかくておいしいのですがスーパーに売っている普通のネギと違って腰が曲がっています。そのネギの曲がり方と、けんかで負けて私の心が折れた様子が同じに見えたので、この句をよみました。
選評
「源吾ねぎ」をはじめて知りました。強そうなネーミングの「源吾ねぎ」ですが、けんかにまけてしまったのですね。私は負けたのではなく、譲歩(じょうほ)したのではないかと句の感じから想像しました。なぜなら、たくさんの冬野菜の中から真っ白で溌剌(はつらつ)とした「ねぎ」を季語に選んだからです。大事なことは、じっと物を見ることと、感じる心が大切です。(桔槹吟社同人 金子秀子)