令和6年度創業者表彰制度受賞者合同インタビュー

ページ番号1018164  更新日 令和7年9月19日

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今後、須賀川市内で創業する人たち向けに、先輩創業者の声を聞き、創業後も自立し、継続して事業を行うための参考にしてもらうことで、創業者数及び継続率の向上を図るため、令和6年度創業表彰受賞者3名に合同インタビューを行いました。

3人の写真

写真左から

介護用品の販売リース :株式会社ケアシスト 代表取締役 岡部 和広さん
アプリケーション開発 :情報整備局株式会社 代表取締役 斎藤 浩平さん
コーヒー豆販売・カフェ:Pulau Coffee Roaster(プラウコーヒーロースター) 島 裕康さん

合同インタビュー

自己紹介をお願いします。

さん(以下:島):東京都国立市出身で、結婚してからは神奈川県川崎市に住んでいました。コーヒー事業を始めるにあたり、妻の実家がある須賀川を選びました。前職はインバウンドの旅行会社に勤めていましたが、コーヒー好きが高じて、創業して須賀川に移り住みました。お店は3年目を迎えています。

斎藤さん(以下:斎):生まれも育ちも須賀川です。地元の消防団に15年前から所属しています。本業がシステムエンジニアだったので、東日本大震災の被災をきっかけに、消防団がネットで情報を共有できるアプリを自分で作ることにしました。須賀川市には7~8年前に導入いただき、評価を得て、他の自治体にも導入してもらっています。

岡部さん(以下:岡):旧岩瀬村出身です。いろんなところで経験を積んで、須賀川に戻ってきました。介護の仕事は26歳から継続しており、17年間は会社員として勤めていました。地元に貢献したいと思い、会社から独立して創業しました。

 

創業されたきっかけ、創業して良かったことを教えてください。

斎:消防団をDX化したいと思ったのがきっかけです。消防団員はやる気のある方が多いですが、震災発生時には何をすればいいのかわからない状況でした。手元に情報があれば、できることはたくさんあります。現在も消防団に在籍しており、こういう機能があったらいいなというものを肉付けしながら、アプリを開発しています。

島:やりたいことは何なのかをずっと考えていましたが、自分でコーヒーを焙煎したことが最初のとっかかりでした。焙煎を続けていくうちに楽しさが増えて、会社を辞めて、次にどうするかを考えたときに「好きなことを仕事にしたい」と思ったことが一番のきっかけです。

岡:会社に属していると合理的に売上を確保しなければなりません。私の家族も介護が必要となったことで、生産性は低くても、お客様目線に立ったビジネスがやりたいと思いました。それを実践するには、会社に属したままでは難しいので、自分で会社を立ち上げればいいと思い独立を決心しました。

 

なぜ、須賀川で起業したのですか。

岡:須賀川は立地が良いと思います。福島県の中心部なので、事業所からの移動距離が少なく、県内のお客様にアプローチしやすい場所です。県内全域をカバーしたいと考え、地の利を活かせる須賀川に本社を置きました。また、他の自治体に比べ補助金が充実していたことも決め手になりました。

斎:須賀川の消防団員だったからです。まずは、須賀川の消防団にアプリを活用してもらって、それから全国へ広げていきたいと思いました。今後、南海トラフ地震も危惧されますので、消防団アプリに加えて須賀川市消防団のノウハウを関東圏にお知らせできればいいなと思っています。

島:立地が決め手でした。コーヒー焙煎は煙が出るので、住宅と隣接していないことが重要です。現在店舗がある場所が、空き地と妻の実家に囲まれていて、まさに理想の土地でした。須賀川は交通の便が良く、コーヒー豆を全国発送する際、関西までであれば早くて1日で届きます。これは大きなアドバンテージですね。

 

まとめ

創業当時に苦労したことや、やっておけばよかったことはありますか。

:どんなことでも経験しておくことが大切です。会社員だと、自分の仕事だけをやっていればいいと思いますが、いろんなことをやらせてもらったほうが、後々の選択肢が広がります。また、経営者になると、人脈を最大限に活用するようになります。同級生、先輩、後輩、前の職場などの人脈は、創業当時から遠慮せずにもっと使っておけば良かったと思っています。

:今も苦労していて、創業時から何も楽になっていない気がします。社長になると「人を使う」という大変さに加え、銀行との面談や借り入れなど、会社員時代は経験できないことばかりです。今思うと、当時の自身の金融リテラシーの低さを実感しています。

:最初は何が必要なのかも分かりませんでした。営業、販売、経理など全部自分でやっていて、配分の度合いも分かりませんでしたが、人に任せられるところは任せればいいと途中で気づきました。やらなくていいことを無理にやると、営業や販売がおろそかになります。例えば、税理士を入れるなど、自分でやることと人に任せることを区別することが大切だと思います。

 

現時点での直面している課題や、事業を回すうえで大事にしていることなどを、これからチャレンジする皆さんへの参考に教えてください。

:お店を構えて2年が経過しましたが、「経営の安定化」が課題です。現在、店舗販売のほかに、ネットショップ、卸売、インバウンド事業などを手掛けています。今後は収益の柱を増やしていきたいと思っていて、焙煎機の貸し出しや、コーヒー屋を始めたい方に対するトレーニングやアドバイスなども検討しているところです。これからチャレンジする方へのアドバイスとしては、トライ&エラーを続けること、チャレンジし続けることが大事です。年齢関係なくやりたいことをやってみる。やりたいことがあれば、とりあえず動いてみてください。やりながら修正していくことが一番大事ですね。

岡:事業を始めると規模拡大と人員確保に悩むようになると思います。どこまで事業を広げるのが、会社にとってベターなのかを考えなければなりません。今後はM&A(企業の合併・買収)なども視野に入れて、広く事業展開していきたいですね。これからチャレンジする方へのアドバイスとしては、社長としてやるべきことが分からないと、会社としての方向性を見失ってしまうので、頑張って学んでいってほしいと思います。

斎:最初は、須賀川市へのアプリ導入だけ考えて、導入自治体が増えた時のことまでは考えていませんでした。県内は今の人員体制で対応できますが、県外まで拡大するには、人を増やさなければなりません。人を増やすと人の管理が発生しますし、代表の役割も変わってきます。今はその切り替えで苦しんでいます。これからチャレンジする方へのアドバイスとして、自分が楽しいと思えることを、実を結ぶまで努力してください。好きじゃないことはあとから苦痛になるので、好きなことを選択したほうがいいですね。私の場合はそれが消防団活動で、商売にならなくてもいいと思って始めました。

 

事業者同士の質問コーナー

 仕事の息抜き方法と趣味は何ですか。

:須賀川に移住してから犬を飼っているのですが、仕事の合間に犬と触れ合うのがめちゃくちゃ息抜きになります。趣味は、週1でパーソナルジムに行くことと、ランニングをすることなど体を動かすことです。

 仕事の息抜き方法と趣味は何ですか。

:今は息抜きの時間を確保できておらず、月に1日しか休めていません。趣味は釣りなので、事業が落ち着いてきたら再開したいです。しっかり休まないと、頭の中の質が下がって発想の転換が難しくなるので、せめて帰れるときは早く帰るようにしています。

 集客の方法、営業活動はどのように行っていますか。

:消防団の営業先は自治体になります。現在、アプリを導入いただいている自治体からの評価を上げておくことが大事です。結果として、今回の合同インタビューのようなものが会社の評価につながります。結局、営業するには信用度が大事なので、自治体への導入実績や新聞掲載などが一番効果があります。

 集客の方法、営業活動はどのように行っていますか。

:今までの経験から生産性を重視するよりも、お客様に寄り添うことで評価をいただいていると思います。今は限られた地域において足で稼いでいますが、広い範囲までアプローチできる営業力が必要だと考えています。

 会社名はどのような理由で決めましたか。

:1つは、打算的ですが何となく自治体受けする名称で、何かの機関だと思われたい狙いがありました。もう1つは、須賀川の情報を整備するという意味合いがあります。須賀川のポータルサイトのようなイメージです。

 珈琲甘酒の開発の経緯と次の商品開発の予定はありますか。

:珈琲甘酒は、白河市にある麹店と知り合い、OEM方式(※メーカーが他企業の依頼を受けて製品を代わりに製造すること)で依頼しました。当店で焙煎したコーヒー豆を使用して、共同開発を行い自店舗、オンラインショップ、flattoでも販売しています。また、昨年より販売しているコーヒーゼリーは、市内の洋菓子屋のパティスリー ラ・ボンベルさんに製造してもらっています。2年の間に色々なコラボをしましたが、今後は開発よりタイアップを増やしたいと思っています。

 

今後の目標を教えてください。

:自身が社長になることで経営判断ができて事業のスピードも上げられます。やりたいことをすぐにやれるような会社にしたいです。それが社長にしかできないことだと思います。広く包括的にお客様に寄り添った支援に踏み込んでいきたいと思います。

:現在、消防団を中心に防災システムを提供しています。災害時には、消防団が一番災害の情報を掴んでいます。アプリで全団員に共有できますが、それで終わるのはもったいないので、集めた情報を自治体職員や行政区長、民生委員、警察、消防士にも使ってもらい、無駄なく有効活用できるようにしたいですね。

:継続することが大事だと考えています。コーヒー業界は参入も撤退も早いので、長く事業を継続していくことが目標です。そのために、今の事業に加えて、焙煎機の貸し出しや、コーヒー屋を始めたい方に対するトレーニングなどを行い、収益の柱を増やしていきたいと思います。

令和6年度創業者表彰制度受賞者紹介

増子氏写真

情報整備局株式会社 代表取締役 斎藤浩平

所在地:須賀川市滑川字東町145

災害発生時の情報共有が効率的に行えないという課題を解決し、円滑な情報共有と迅速な対応を実現するため、消防団員向けアプリ「S.A.F.E.」を開発しました。福島県内を中心に、多数の自治体での導入事例があります。

松宮氏写真

Pulau Coffee Roaster(プラウコーヒーロースター) 島 裕康

所在地:須賀川市和田道5-11

自家焙煎コーヒー豆の製造及び販売をメインに行う事業所です。実店舗での販売のほか、オンライン販売、卸売りや海外からのインバウンド客への販売も行っています。

鈴木正子 写真

株式会社ケアシスト 代表取締役 岡部和広

所在地:須賀川市深渡戸字上11

「しなやかさ」を経営のテーマとして、介護用品の販売リースを行っています。お客様の自宅に訪問して身体の状況と生活環境を確認したうえで、適切な貸与商品の設定や、福祉用具の販売を行っています。

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企業振興係 電話番号:0248-88-9142 ファクス番号:0248-72-9845
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